愛唄

□僕が生きる意味
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君が今までいたことが、まるで嘘のように俺の部屋は静かになっていた。
君はもう、アウストレファミリーの麻薬密売現場についているころだろう。
早く帰ってきてくれ、なんて俺が言う資格はない。あるはずがない。
本当に、これでよかったんだろうか?本当に、君を一人で行かせてよかったのか?
確かに、君は強い。そして誰より隠密行動が得意だ。
でも、それだけで君を一人で行かせていい理由になんかならない。なりはしないのに。

「どうか、無事で…ッ」

こうやって、君を信じて祈ることしかできない俺は、何て愚かなんだ。君を危険に晒しているのは、他でもない俺なのに。
いくら恨まれようと、憎まれようと、俺が許されるはずもないのに。
でも、それでもいいから。

「君がいないと俺は…ッ!」

どうかどうか、生きて帰って来て。




僕が生きる意味
(それは君が傍にいること)



2008114
愛唄で20のお題11。
愚かな俺は、待つことしかできない。


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