『影踏み』さんの小説

□私は子供(中編)
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「な、なんっ、ど、どう―」




完全にパニックしてる。


そりゃ、突然目の前に、


素っ裸の女が現れたら、


パニックにもなるわよね…。




「…乱馬…」




私は、訴えるような眼差しで、


乱馬に近づいて行く。



と、乱馬は素早く座っていた椅子から


飛び降りると、私から離れたタンスに


カラダをビッタリとくっつけて言った。




「な、何だよっ?!


 どうしたんだよ?!」




声が上擦っている。


完璧に動揺してる。



でも、こんなただ驚かれてるだけじゃ、


私が"女"として魅力があるか


わからないわ。



…そう言えば、


以前、ユカリから聞いた話だと、


男の人が興奮してくると、


アソコが変化するって…。



チラッと見たところ、


まだ特に変化は無いみたい…。



裸を見せたダケじゃ駄目って事?



あ、そうか…


乱馬は、自分の裸に見慣れてるから、


見せるだけじゃ駄目なんだわ。




なら…




私は、乱馬に触れようと、


更に近づこうとした瞬間、


慌てた乱馬は、


私の部屋のドアに目をやり、


体制をドアに向けた。




部屋から出て逃げる気ね!




私は、逃がすまいと、


ドアの前に張り付き、


後ろ手にカギを閉めた。




―ガチャッ―




「!!…おまえ…カギ…」




動揺で若干涙目になりながらも、


逃げ道を塞がれ、観念しのか、


こちらに背を向けしゃがみこんだ。




「わーったよ!何なんだよ!


 俺が何したってんだよ!」




ヤケ気味にあたり散らして来た。




「…にしたってよぉ、こんなやり方、


 …オマエらしくないっつーか…」




今度は、消え入りそうなくらい


弱々しい声でつぶやいた。



私は、そっと後ろから抱きついてみた。



乱馬は、


カラダをビクッと大きく揺らし、


背中に押し付けた私の耳と胸に、


振動ごと伝えるくらい、


激しく鼓動し始めた。




「―!…あ…かね…?」




「…乱馬、私をちゃんと見て。」




乱馬は、硬直するカラダを、


無理やり動かすように、


ぎしぎしと音をたて、


ゆっくりとこちらにカラダを向けた。





















私は子供(中編)fin

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