『影踏み』さんの小説
□don't disturb-E
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道場で軽く汗を流した私たちは、
他愛も無い話をして別れた。
と言っても、
汗を流したのは、実は私だけ。
赤毛の彼女は、
今まで会ったどの女の子よりも筋が良く、
悔しいが、私は足元にも及ばなかった…。
強くもない。
女の子としても見てもらえない。
私にはいったい、何が残っているというのだろう━。
一人きりになった道場で、只々、天井を眺めていた。
気が付けば、
外はすっかり日を落としていた。
…部屋に戻ろう。
重い腰を上げ、自室に向かう廊下を歩いていると、
なびきお姉ちゃんに出くわした。
「あかね。
お風呂沸いてるみたいだから、入っちゃいな。」
「はーい。」
軽く返事をして、着替えを持ち、お風呂へ向かった。
━そして、最悪な事態が起こった━
━fin