短編
□短い呟き。
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「お、おい…。どうした?」
『……土方。…ちょっと、悲しいことがあったんだ。』
「…大丈夫か、?」
『うん、大丈夫!…ゴメン。こんな姿見せて。』
「どうした?何があったか聞いてやるよ。」
『…。聞いてくれる…の?』
「…、泣いてる奴ほっとける程冷たい奴じゃねェよ」
『はは、有難う。……、あのね、…彼氏に振られちゃったんだ』
「……」
『この人なら信じられると思って、凄く好きで、好きで、好きになれたの…』
「…お前は」
『うん、初めは好きじゃなかったんだよ。彼氏のこと。他に好きな人がいたから。それでも付き合ってるうちに好きになって…』
「……」
『キスも、初めても、全部全部あげた。あげられた。…それくらい大好きになったんだ。けど、うん。ツケが回って来たんだよね。私、最低だ…』
「……」
『自分が悪いのに、…涙は勝手に出てくるんだね。人間て不思議。泣くな!って強く思えば思う程ボロボロ瞳から沸いてくるよ。』
「……、」
『忘れたくても忘れられないんだ。…あの人の臭い、温もり、感触が』
「……、」
『唇を噛む度に味がするの。思い出しちゃうの』
「………」
『凄く、凄く、好きだった…っ』
「………」
『大好き、だったの…っ』
「………俺が」
『……』
「俺が、俺はずっとお前を好きだったっつたらどうする?」
『………』
ちょっと間違ったね、私達。
意地を張りすぎたのかな、お互いに。
でもゴメンね、今貴方と一緒になれないよ。
私はあの人が忘れられないの。それくらい大好きだったから。
でも、もしあの時、私か貴方が本音を口に出したなら…
悲しいね、うん、悲しい。
やっぱり涙が止まらないよ、もう。
(抱きしめるなんて卑怯なんだから。)
『ありがとう』
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もし、辛く寂しいことが起こった時に抱きしめてくれる人がいたら、好きになっちゃいそうだよね。という話。
この話は彼氏に振られた、ということでしたがそれ以外にも沢山悲しい出来事は人間生きてると沢山ありますよね。
毎日が幸せな日だったら素敵なのに、とか。思わないこともないこともないけれど、毎日が幸せな日じゃないから幸せな日が幸せと感じるんですよね。
悲しかったり、逃げたかったり、悔しかったり、苦しかったり、そんなことがあって人間は成長するから。
だから涙を飲んで笑うんです。
そうしたら絶対幸せな朝が来るから。
そんな世の中に乾杯。
さあ今日も一日頑張ろう。