◆闇の扉
□【桜道】
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晴れ渡る空を見上げて思う…
君のこと。
「またここにいたのか」
声がしたほうに目を向けると
君がいた。
「おはよう玄冬」
「おはようじゃないだろう…。
また風引くぞ花白」
いつも君は怒ったような困ったような顔をする。
「?…なに笑ってるんだ」
「別に?なんとなくだよ」
それでも必ず迎えに来てくれるんだ……君は。
「行こうか、玄冬」
「あぁ…」
世界に春がきた。
俺達はたくさんの人達を犠牲にして生きてきた。
そして手に入れた世界。
そこには君がいて、
俺がいた。
「花白。お前なんか変なもの食べたのか?」
「え!?なんのこと?
それに何気に失礼じゃない?」
「いや…まぁいい」
「?…変な玄冬」
「お前は笑っている方がいい…」
「え!?」
「笑っていろ花白」
「…うん」
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