普通
□君不足
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お妙がいない、一人きりの家の中で新八は深い深い眠りについていた。
それは風が吹いて窓ガラスが激しく音を立てようと大きなトラックが家の前を通ろうと覚めるような浅い眠りではなく、とてつもない深さであった。
「んん〜…お通ちゃん…す……き」
どうやら夢にお通が出てきているらしく、寝言にまで出していた。
「お通ちゃん!ぼ…僕とデ、デデデデートしてくださいっ!!」
「いいよぉー。でもキスしてくれたらネクロマンサー!」
「キ…キス…///」
…………………
「…ちゃん!新ちゃん!!」
「あ…姉上…お帰りなさい…」
「何してたの!?」
「ぇ…?何がですか…」
お妙はどこからともなく鏡を差し出し、新八を写す。
「うっ、血!!?」
「鼻血よ。新ちゃん、鼻血が出るようなエロい事を考えるなら大人になってからにしなさい!」
「ななな何言ってんですか姉上!僕がまさかそんな…」
お妙によって中断された夢。
今ふと思い出す。
「僕…お通ちゃんとキ…///ブハァ!!」
勢いよく溢れ出した新八の鼻血。
「ちょっと!新ちゃん!!新ちゃ…」
意識が遠のく…
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