よろず部屋

□初めての恋(SEED)
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私にとって、あなたは・・・・・







「・・・・ラクス?」

皆で出掛けに来ていた際ラクスは一人別の場所にいた。
それを見つけたアスランはラクスに声を掛けた。

ラクスはその声に振り向き優しく微笑んだ。

「そんな所で何をしてるんですか」

「この花を・・・見ていたのです」

花?と思いながらアスランはラクスの手元を見た。

そこには・・・

「アスラン、初めてお会いした時の事を覚えていますか?」

アスランは花に目を向けながら「はい」と答えた。







「紹介しよう、こちらが私の娘のラクスだ」

「初めましてこんにちは」

「こちらは私の息子のアスランです」

「初めまして」

アスランは少し緊張しながら挨拶をした。

「私達はこれから話してくるから二人で仲良くするように。いいね?」

「はい」

「は、はい・・・」






「・・・・・・」

「・・・・・・」

それから数分経ったが二人黙ったままだった。

「どうして・・・」

「え?」

「どうして・・・私と会おうと思ったんですか?」

アスランは決意したように言った。

「私達はまだ10代ですよ?婚約と聞いても早い気がするのですが・・・」

「・・・アスランは、嫌なのですか?」

「あ、いや・・・その、少し戸惑いがあって・・・」

「そうですわね、私も全然戸惑いが無いといったら嘘になりますわ。でも・・・」

「でも・・・?」

「どんな人かお会いしてみたいと思っていたのです」

「私に・・・・ですか?」

「えぇ。ザフトのエースパイロットとして活躍されているあなたがどんな方なのか・・・・」

アスランはそれを聞いて苦笑した。

「つまらない男だと思います。私はパイロットとしても、一人の男としても・・・」

「自信が・・・・ないのですか・・・?」

「そう・・・ですね。パイロットとしては頑張っているつもりです。ですが、最近は仲間とも上手くいかない・・・・」

アスランは更に苦笑した。

「それに・・・私は女性とどう・・・接していったらいいのか分からない・・・・」

「誰だって自信はありませんわ。私だって自信はありません」

「ラクス様・・・・も、ですか?」

「ラクス・・・でよろしいですわ。えぇ・・・ただ、私は歌うのが好きだから・・・」

ラクスはアスランを見た。

「歌う事で皆さんに何かを伝えられる・・・・それが分かっているから負けずにいられるのです」

「・・・・・・・」

「アスランも・・・お仲間とそれに・・・女性もお好きなのでしょう?」

「そう・・・ですね。ただ、女性は・・・まだ良く分かりません。誰かを好きになった事がありませんから・・・」

「それなら・・・・・・」

ラクスはアスランの手を取った。

「私は・・・・如何ですか?私は・・・女性として、好きになれませんか・・・?」

「え・・・・・・?」

「私も実は言うと誰かを好きになった事がありませんの。お互い恋を知らない者同士・・・」

ラクスは少し微笑んだ。

「きっと・・・上手く行くと・・・そう思うのですが」

ラクスはアスランの手を離した。

「無理に考える必要はありませんわ。これは気持ちの問題ですから」

ラクスはそう言って歩き出した。それを見たアスランは追いかけた。

二人は少しずつだが色々話しをするようになってきた。

「あら・・・・・」

ラクスは立ち止まった。

突然立ち止まったラクスにアスランは何かと思った。

「どうしたんですか」

「綺麗なお花・・・ですわ」

花はラクスの手の届かない所に咲いていた。

アスランはそれを見て取りにいき、渡した。
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