機動捜査隊(頂きもの)

□honey
1ページ/1ページ

「あ…」
梶原が声を上げた。
朝の光の差し込むテーブルには、彼の用意した朝食が二人分置かれている。
ちらりと、テレビを眺めていた秋葉は梶原に視線を向けた。
見れば。
トーストの端から透明な金色がとろりと垂れ、梶原の右の手を汚している。
蜂蜜だ。
「つけ過ぎ。子供じゃないんだから」
「あはは、好きなんで、つい」
呆れたように言った秋葉に、梶原は苦笑いを浮かべるしかない。
「っと、また垂れちゃう…」
手首を伝いかけた蜂蜜を咄嗟に舐め上げる。
それを見ていた秋葉が梶原の右腕を掴んだ。
「秋葉さん…?」
問う梶原に笑むだけで、秋葉は答えない。
そうして、己に引き寄せた梶原の手のひらをぺろりと舐めた。
笑みを浮かべた上目遣いに梶原を見つめながら。
ちろちろと幾度も舌を覗かせ舐めあげる。
更に、指をゆったりと尖らせた舌でなぞり。
まるでそれは…。
「あ、秋葉さんっ?秋葉さんっ!?…ったぁ…」
焦る梶原の指にかぷりと噛みついた。
「甘かった…」
梶原の腕を放した秋葉は顔を顰め呟く。
「…勘弁して下さいよ、もう…」
「ば〜か」
コドモじゃないんでと、うっすら頬に赤みが差している梶原に秋葉は容赦ない言葉を吐いた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ