職員通用口

□intercourse(梶×秋)
1ページ/1ページ

時々、壊してしまいたくなる

その悲しみに満ちた目を

その身体を
その声を

その、心を


ぎしり、とベッドが軋む。その音に秋葉が敏感に反応した。
「怖がらないで、秋葉さん」
(…怖いに決まってる)
口にした言葉と、全く逆の言葉が自分の心の中に浮かぶ。
「力、抜いて?」
(…抜けるわけがない)
こんなに、暴力的に。秋葉の心も何もかもを置き去りにして、身体だけを繋げる。
「………っ」
苦痛だけしか感じていない表情で。だが秋葉は絶対に声をあげようとしない。それは恐らく理性とか、意地とか。そういう類いのものだろう。同性の、後輩に。こうして犯されている現実を、秋葉が受け入れられるはずがない。
「……い……っ…」
シーツを握り締めて、何度も何度も逃れようと秋葉は身を捩る。
それを押さえ込んで、ゆるゆると突き上げた。
噛み締められた唇に、それをほどくようにキスをする。
「秋葉さん……わかる?身体は気持ちいいって言ってる」
耳元で囁くと、秋葉の身体が弾かれたように跳ねた。
「ほら……わかるでしょ?」
「……っあ…」
秋葉自身を手のひらで包み、ゆっくりと扱く。全てを拒否するように、固く閉じられた秋葉の目から、涙が落ちた。少し長めの前髪が、汗ばんだ額に張り付いている様にすら、欲情する。
「秋葉さん……」
秋葉の首筋を舐め、快感に溺れ始めた彼を呼ぶ。本当は、あの少し掠れた声で、言って欲しい。お前しかいらないと。
「梶…原…」
初めて秋葉が梶原の名前を呼ぶ。でも、まだ心までは墜ちてこない。
「も…う、やめ……っ」
「好き、秋葉さん」
だから、いくら彼が拒絶の言葉を口にしても。
「好き…」
「いや……っあっ」
抱き締めて、一気に追い上げる。
梶原の背中に回された秋葉の手が、縋るようにそこに爪をたてた。
「……っ…梶、原……っ」
初めて聴く嬌声。熱を帯びた目許も。
梶原だけが知っている秋葉。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ