-戯言-
□昼食の策
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いーたん、いくらなんでもそれはないよ。
いくらキムチをこよなく愛していたとしても、昼ご飯にキムチ丼ご飯抜きはないよねっ?
「それ何かの罰ゲームか何かなの?いーたん?」
私、七子は黙々とキムチのみを食しているいーたんにそう言った。
私といーたんは、同じ大学でよく同じ講義をとっているから、自然と仲良くなった。
今ではよき友人だ。
うん、自分でも少しはいーたんのこと理解してるかなぁ、とか思ってたけど…。
やっぱりいーたんはめっきりさっぱり分からない。
まだまだ修業が足りないね!!
「罰ゲームでも何かの試練でもないよ、七子ちゃん」
いーたんは、キムチ丼を食べる手を止めて言った。
「へ?…じゃ何でそんなん食べてるの?」
私が尋ねると、いーたんは私を見て言った。
「何か知らない内にそう言ってしまったんだよ」
「余計訳分かんないから」
速攻で突っ込みながら、私はいーたんの前に腰を降ろし自分の弁当を広げる。
「それ、自分の手作り?」
いーたんが物欲しそうに私の弁当を見る。
あげないからな。
そんな目で見たって絶対あげないからな。
「うん。私下宿してるから作ってくれる人もいないし」
ぱく、と自分の弁当を一口食べる。
うん、美味しい。
私って天才ー。
「それにしてもいーた、本当にそれだけ?栄養偏るよ?」
私の言葉にいーたんは、考えてからじっと私の顔を見てきた。