-戯言-
□姉弟的会話
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ばしゃ。
いつものように【日常】の殺人を行った。
路地裏を歩いていたら、堅気らしからぬ人物に絡まれたので、ついやってしまったのだ。
愛器の贄となり倒れ込む男の背後に、見慣れた人物が満面の笑みを浮かべて立っていた。
「よっす、ひとぴー。元気だったかぁ?」
第一声。
感動の再会の幕を開いたのは、その一言だった。
人識は落胆、と言うよりそのあだ名に呆れたようだった。
「…………おい、七織…ひとぴー、って何だ」
「へ、人識だからひとぴー。可愛いでしょ」
「可愛くねぇよ!七織、おまっ、どんだけネーミングセンス欠如してんの!?」
べし、と人識は七織の頭を何の躊躇いもなく叩く。
「ちょっと、ひとぴー。
可愛い姉さんの頭叩くとかどーいうこと?レン兄に密告していい?」
七織は、大して怒るでもなく冗談混じりに言う。
「……………………次、それで呼んだら、殺して解らして並べて揃えて晒してやんよ」
若干本気で人識は言ったのだが、七織は嬉しそうに笑う。