-other-

□蒼に恋
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青とは、彼そのもの。
蒼とは、彼そのもの。
空とは、彼そのもの。




闇に忍ぶ私には、渇く喉を潤す水の様に感じられた。

私にとって、唯一の光にも足る存在を、身命を賭して守ろうとするのは必然。



それを"恋"と呼ぶか、"依存"と呼ぶか、私には判然としない領域であったけれど。


























「はあ、かすがと言い、名無子と言い、どうしてこうも一直線なんだかね。」

迷彩の忍はそう呟く。


「佐助も似た様なもんだ。
大体、私はかすが程じゃない。」

心外だと言わん限りに、名無子は不満の声をあげた。



名無子は、鎖で繋がれた手裏剣を迷彩の忍、佐助に向かって、真っ直ぐに放る。
その攻撃に戦意はなく、佐助は難なくかわした。



「この戦、川中島と同様に、また引き分けになるんだろうね。」
名無子は、溜息と共に呟く。
「大将と軍神の戦振りを見てるようだよ。」
佐助も名無子に同調する。





伊達政宗と、真田幸村。
幾度となく刃を通わし、何時しか自他共に認める好敵手となった二人。

会えば必ず一戦交える。
部下は部下で、横槍の入らぬ様、且つ、戦に勝てる様、尽力する。

















「よくもまぁ、飽きないもんだ。」
「それが武人ってもんなんだろ。
忍には分からない領域だな。」
今日も引き分けと早々に見切りをつけた忍二人は、呑気に木の上にて、主の戦いの観戦と洒落込んでいた。







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