-other-
□携帯から始まって
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｢あれ､携帯動かない｡｣
名無子は､少し焦ったように携帯を開いた｡
今まで確かに､いつの間にか電源が切れていたりと､そう言った兆候のようなものがあった｡
いつまでも古い機種を使っていたからかもしれない｡
｢どうしよう｡若桜とメールしてたんだけどな｡｣
まぁ､今はもう深夜(AM2:00)だし､途中で寝たと思ってくれることだろう｡
仕事や急ぎだったら､家電に連絡の一つでもくれるはずだ｡
あれ､私って若桜に家電の番号教えてたっけ？
…もういいや｡
急にどうでもよくなって、名無子はふて寝し始める｡
十条若桜｡
名無子が先ほどまでメールをやり取りし､なおかつ名無子の彼氏である｡
彼とは付き合いが長く､今の仕事を始める前からの仲だ｡
今の仕事を始めてからは､向こうも忙しいらしく､あまり頻繁には会えない｡
名無子とて､その仕事に手を貸している為､暇と言う程の余暇はない｡
プルルル…
静かに家の電話がなる｡
｢ふへぇ？｣
うとうとと､まどろみかけていた意識を取り戻す｡