-other-

□Snatch
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「キャプテン、海賊ってさー、欲しいもんは奪うんだぜイエイ、だよねー。」
そよそよと春風が流れ、次の島が春島であることが分かる。



「何だ、いきなり。欲しいもんでもあるのか、名無子。」
「うん。すっげ欲しい。」
ハートの海賊団船長、トラファルガー・ローとその船員、名無子は甲板で昼寝をしながら会話していた。
船室からはベポが「名無子ー、手伝ってよー。」と呼ぶ声が聞こえるが、一切無視。

ごめんよ、ベポ。
心地よ過ぎるこの春風が悪いのさ。







「まぁ、海賊の基本は強奪だからな。」
「うんうん。ですよねー、よし、次会ったら剥ぐとしよう。」

悩みも万事解決!!
キャプテンの同意も得て、安心して昼寝に没頭できるなぁ、と瞼を閉じる。
「名無子−!!名無子ってばー!!どこー!?!?」













…………流石に後ろめたい。
何せ本来は私とベポの二人でやるべき船室掃除を一人でやっているんだろう。









「やれやれ、船室掃除行ってきまーす。」

勢いを付けて起き上がり、ベポが呼ぶ船室へと歩き出す。


「……名無子。」

ぐい、といきなり後ろから手を引かれて、私は倒れ込むようにキャプテンの胸へと収まる。






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