-戯言-
□零崎くん一家-大将編-
2ページ/3ページ
「何してるっちゃ、七子」
「んー?不法侵入罪だよ、大将」
パソコンに目をやったまま、七子は背後にいる殺人鬼に声をかけた。
「鍵かかってない上に呼んでも返事がなかったっちゃ」
不法侵入と言われたのが気に喰わなかったのか、殺人鬼、基、零崎軋識は反論した。
「おや、私ってば不用心。あっはっは」
七子はからからと笑う。
「七子、笑うところじゃないっちゃ。で、何してるんだ?」
ぽん、と妹を叱る兄のように軋識は七子の頭に手を乗せる。
「いやね、ただ殺し名において大将はどう記されてんのかなーと思って。やっぱあんまり載ってないよね」
と、残念そうに七子は言うが、軋識は呆れたように溜息を吐く。
「一般の情報ネットワークじゃ殺し名なんて掠りもしないっちゃ。情報開示されてる時点で七子が少なからず裏を知ってる人間だって分かるっちゃ」
確かにね、と七子は笑った。