テイルズオブジアビス
□王子様
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「ははうえー、これは何ですか〜?」
ルークはシュザンヌのタンスの上にのっかっている、金色にきらめくモノを見ていた。
「それは王冠ですよ」
「おーかん??」
ルークは難しそうな顔をして、シュザンヌと王冠を交互にみた。
「自分の国の1番偉い方がかぶるものです」
「1番偉い人…」
ルークは目を輝かせて王冠を見つめた。
それを見ていたシュザンヌは「少しまっていて下さい」と言ってベットの下から箱を取り出した。
「これをルークに差し上げます」
シュザンヌは箱から小さな王冠を取り出した。
そして、両手でゆっくりとルークの頭にのせた。
「ははうえ…?」
「あなたはまだ小さな王子様です、しかし、いずれ立派な王様となるでしょう。それを願い、今は小さな王子様に小さな王冠をあげます」
シュザンヌはルークの頬にキスをした。
ルークは少し戸惑いながらも蚊が鳴くような声で「ありがとうございます」と言った。
ルークは顔をあげ、
「ははうえ、本当に貰っていいんですか?」
と、不安げに聞いた。
「えぇ、みんなを護って下さいね、小さな王子様」
「護る?俺できねーよ…」
「大丈夫です」少し強い口調で言った「大丈夫です、ルークは私のことを支えてくれました」
「え?」
「本当ですよ、精神的にルークは護り、支えてくれました」
「…だから、王子様?」
「そうですよ」
微笑みながらシュザンヌは言った。
ルークは目を輝かせて王冠を眺めた。
「俺、ガイに自慢してくる!!」
ルークは勢いよくドアを開けた。
「あまり急がないで、転ぶわよ」
「わかってるって!王冠ありがとうございます!」
ルークは走りながらシュザンヌの部屋をあとにした。