Novel

□甘い夜
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兵助はタカ丸の部屋に勉強を教えに訪れていたが、時間が遅くなったのでそのままタカ丸の部屋に泊まることにした。





「ごめんね、久々知くんこんな遅くまで勉強みてもらっちゃって」
「タカ丸の力になれたなら時間なんて関係ないよ」

「えへへ、くくちくん好き〜〜」
「二人の時は兵助でいいって言っているだろ?」

兵助はタカ丸の頭を小突いた。

「えへへ〜へいすけく〜〜ん」

タカ丸は兵助の隣に倒れ、兵助のひざにぴたりとくっつき、あったかいなあへいすけくん、と言いながら目を閉じた。


「あの、そんなことされるとキツイんだけど…」
「だってあったかくて気持ちんだもん」


タカ丸は頭をすりすりと兵助の足にすりつけた。

「!ばかっ…」

兵助は自分の膝で丸まっているタカ丸の上に覆いかぶさった。

「へいすけくん?」
「タカ丸のほうがあったかいよ」
「ん…」

兵助は柔らかいタカ丸の髪に顔を埋め、右手で背中を撫でた

「それに柔らかいし」
「僕そんなに太ってる?」
「違う違う。なんか、柔らかいしあったかい…」

−食べたいくらい
聞き取れるかどうかという声の音量で兵助は囁いた。

「なに?へいす…」


タカ丸は一瞬にして目の前の景色が兵助の膝から天井になった。
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