Novel

□空気よりも何よりも
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その間も小松田は皆の大切な物について語っていた。

「−で一年生はにんたまの友〜最後に僕は出茂鹿くんです」

「だから…は?」
「探すの苦労しました」
「小松田くんの大切な…もの…?」
「はい!」

小松田は今日1番の笑顔をみせた。

「僕が…?」

出茂はまだ現実を理解できず、床とにらめっこしていた。
顔色は赤くなったり青くなったりくるくるかわる。

「どぉーしたんですかぁ〜」
「うるさいっ!小松田くんはいつもいつも!!」
出茂は小松田につかみかかった。
いつの間にか縄抜けをしていて、小松田は目を丸くして驚いた。

「わああ解いちゃったんですかぁ??でもどうやって…」
「忍びをなめるな!まったく本当に君ってやつは…」

最後のほうは弱々しく、聞き取るのが難しかった。

「あの…出茂鹿さん?」
「だったら君はここから出るな!」
「ええええ?!なんでそうなるんですかぁぁ?」

小松田は驚き、出茂を揺さぶった。
大きい声がダイレクトに出茂の耳に入り痛みを少し感じた。
その意も込めて強く小松田の腕を掴み、睨むように目を見て言った。

「だって大切なものはここに置くんだろ!」
「……ほえぇ!!!出茂鹿さん!!!!」

二人は熟したトマトより赤くなった。



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