Novel
□愛熱
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忍者が自分の体調を管理できないというのはとても恥ずかしいことである。
しかし、たまにはこんな時もあっていいかな。
きり丸は自分の布団の中で呟いた。
【愛熱】
バイト中に池に落ちてしまい、きり丸は38度の熱を出した。
「きり丸大丈夫?」
乱太郎はきり丸が寝ている横に体育座りをしている。
かれこれもう何時間もそうしている。
「大丈夫だって心配しすぎなんだよ乱太郎は」
「だってきりちゃんいつも丈夫なのに」
乱太郎はそっと手をきり丸のおでこにのっけた。
「まだ、熱いね…」
「あ、当たり前だろ…」
「うん…そうだよね」
乱太郎は少し申し訳なさそうに俯いた。
恥ずかしさのあまりに意とは反する言葉を乱太郎にかけてしまったことをきり丸は激しく後悔した。
「きりちゃん何かしてほしいことある?」
「してほしいこと…?」