テイルズオブジアビス

□想い
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――初めて人を殺した

ルークは旅を始め、初めて兵を斬った。
ルークは軟禁されていたので、人を斬ったり斬られたりするのは初めてだった。
ましてや、師匠以外の人と闘うのも初めてだった。

「斬った…俺が…」

ルークはタルタロスの部屋で一人泣いていた。

「殺したくないのに…殺すつもりなかったのに」

かれこれ半日はずっとこうなってる。ルークは食事もとってない。

斬った瞬間を思い出すから、食べれなかった。

「ルーク?」

「!?」

ふと、ドアの外からガイの声が聞こえた。

「入るぞ?」

「え…ちょっとまてっ…」

「待たない」

ガイはいつもより少し低めの声で喋った。
そんな変化にもルークは気付かなかった

―ガチャ

ドアが開いた瞬間、ガイは勢い良くルークに掴み掛かった。

「――っっ」

ルークはあまりの圧迫感に息ができなかった。

「くっ…くる…しっ…ぁガイ」

「あ…わるい」

ガイは掴んでいた胸ぐらを離しルークの隣りに座った。

「…飯もろくに食べないから心配したんだぞ」

「……ごめん…でも俺―」

「人を殺した…だろ」

「っ…」

ルークは図星をつかれ息を呑んだ。

すぐに俯きガイと目をそらす。ガイはそれを正すことなく話を進める。
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