二人の部屋

□儚い夢の果て
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 〜山藍交差する想い〜




『惣右介、イイ子にしとったか?』

『しっかりご飯も作っといたよ重國』

『そうか、惣右介の作るご飯は絶品じゃからのぅ』

『ほ、誉めても何も出ないぞ//////』

『そんなに頬を染めてどうしたんじゃ?(妖笑)』

『あっ、やっ//////』

『もう感じとるのか?』

『あぁあっっ//////』



傍にいた温もりは今はない



『私が天に立つ』



惣右介の思いがけぬ裏切り



『奴の目的は王鍵』



お前がワシに刀を向けるのであれば、ワシは目を覚まさせるだけじゃ

お前が何と言おうがな





************


『私が天に立つ』



総隊長、アナタは僕を裏切り者と言うだろう
だけどね、僕はアナタと別れたくなかった
アナタが先に逝ってしまったら、僕は生きた屍になってしまう


だったら



『さようなら、死神の諸君・さようなら旅過の少年』



さようなら重國



************


惣右介がいなくなってから、ワシは前以上に惣右介を愛しとることに気付いた



『その時は井上織姫を殺すんじゃ』



何故じゃ?惣右介
何故ワシを連れていってくれなかったのじゃ・・・



『日番谷隊長分かっとるな』

『・・・はい』



この少年も市丸を欲しとる

ならば



“惣右介を正気に戻しとくれ”



紡ぐことを許さぬ喉を呪いたくなった

惣右介が離れていってしまった自分を恨んだ



『尸魂界に戻るんじゃ』



惣右介はワシの手で取り戻す

刀を交えたとしても

命を・・・捨ててでも



************


『さぁ、見せてくれウルキオラ。君が現世で見てきたもの全てを』



総隊長
僕を殺してください
アナタに殺されるなら本望だ



『お茶をいれようか』



大好きなアナタが浮竹と京楽ばかりを構っていた頃
心臓が破裂するかと思った

死にたくなった
だけど出来なかった

何故だか分かりますか?総隊長

アナタの傍にいたかったから


でも、もう叶わぬ夢


僕はアナタの敵だ



『井上織姫、君の能力を私のために使うんだ』

『藍染様の仰せのままに』



この女の能力で、あの頃に戻れれば

総隊長が僕だけを見ていた頃に




儚い願いは無常にも交差し



残酷な未来を映し出す




それが運命と言うのなら




迎え入れよう





FIN...
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