二人の部屋
□Flower of sadness
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君が遠い
こんなに近くにいるはずなのに
なぜ、心は苦しいの
【Flower of sadness】
傍にいるのに遠くて
こんなに触れたいのに
散りゆく華のように、アナタはいつも儚く映る
『藍染、またここにおったのか』
『そ、総隊長殿』
『仕事に熱心なのは分かるが、資本は肉体じゃ、お主がはりきっておっても隊士が疲れてしまっては元も子もない』
僕は彼に恋をしていた
頑張ろうとする僕を評価してくれて
僕を助けてくれたアナタに惹かれた
男同士なんて認めてもらえるものではない
でも、性別なんて関係ない
好きになったのが男だっただけのこと
『総隊長、本日仕事が終わりましたら聞いて頂きたいことがあるので、お時間頂けないでしょうか?』
『構わぬ』
『では失礼致します』
やった!これってデート!?
デートだ!!!何を着て行こうか・・・
この間買った藍色の着物
いや、少しお洒落をして白地に赤の模様が入ったやつかな
でも、あまり派手にしたら変に思うかな?
死覇装では味気なさすぎる・・・
そんなことを悶々と考えていたら、気付くと終業を知らせる鐘が鳴り響いた
『早くしなきゃ!!』
恋人を待つ少女のように僕の心は高鳴った
総隊長が浮竹と話しているのを見るまで
『あぁ、藍染お疲れさん』
『お疲れ様です』
なんで隣にいるのは、コイツなんだ
そんな醜い感情が沸々と湧き上がってくるのが分かった
『では先生、俺は行きます』
『うむ、では藍染行くとするか』
『はい』
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