「日誌撰集」
□法曹関係小論集
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「裁判官の逆説的不幸」
どうしても、集中できず、ネットサーフィンをしていました。
たまたま、大野博昭弁護士のHPが目に入りました。
元々刑事事件を主として担当していた裁判官だけれども、刑事弁護をやることを避けているということです。
その理由は
刑事事件を担当したところ、ことごとく量刑が自分の予測を外れて重くなるということが続き、責任を持った仕事が出来ないと思ったから
というもの。
さもありなん――これも時代がかって表現ですが――と思いました。
裁判官は独立意識が強く、判決などで決断を要するときでも、同僚や先輩に相談しない人が多い傾向にあります。
結果として一種の独善に陥り、業界に身を埋めていたにも係わらず業界での平均的な考え方が分からなくなってしまうのでしょう。
裁判官の独立とは聞こえが良いものですが、他人から評価されないのも不幸と言えば不幸なことです。