「勉強部屋」

□自由に関する学習帳
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自由の定義各種



フランス人権宣言
 自由は,他人を害しないすべてをなしうる権能にある。

H・J・ラスキ
 自由とは,自己に忠実なることを意味する。(近代国家における自由)

カント
 自由とは,ある状態を自ら始める能力のことである。従って,自由の原因性は,自然法則によって時間的に規定する別の原因にもはや支配されることがない。そのような意味で,自由は純粋な先験的理念である。(純粋理性批判)
 自由はア・プリオリにしか説明され得ないものなのである。(道徳形而上学原論)

カッシーラー
 自由とは道徳的意志がみずからに課する規則なのである。それが「自律」の意味であり,言いかえれば自己統御と個人的責任を意味するものである。カントの言うように,自由は与えられたものではなく,課せられたものである。それは贈物であり,おそらくは,われわれが自己自身に負わせ得るもっとも困難な課題である。(我々の時代の政治的神話の技術)

市川浩
 存在物が外的あるいは内的な力の強制や拘束や妨害なしに,その本性あるいはその意志に従って働きうること。
 「行動の自由」は事実上の自由の問題であり,哲学的にはさほど難問を含まない。これは外的拘束に対立する意味での強制からの自由であり,自由意志を否定する決定論と両立しうる。(現代哲学事典)

伊藤邦武
 使用法にはかなりの幅があって,その意味の焦点がかならずしもひとつとは限らないことがわかる。(事典哲学の木)

サルトル
 人間は自由である。人間は自由そのものである。もし一方において上が存在しないとすれば,われわれは自分の行いを正当化する価値や命令を眼前に見いだすことはできない。こうしてわれわれは,われわれの背後にもまた前方にも,明白な価値の領域に,正当化のための理由も逃げ口上ももってはいないのである。(実存主義とは何か)

川崎修
 自由の意味するところの内実はきわめて多義的であり,論争的である。(岩波社会思想事典)

モンテスキュー
 自由とは,法の許すかぎりのすべてのことをなす権利である。もしある市民が法の禁じていることをなしうるのならば,彼はもはや自由をもたないことになる。なぜなら,他の人々も同様にそのような権利をもつことになるからである。(法の精神)

野矢茂樹
「自由」は錯覚だとして捨てるか。
――いや,自由はぼくらの根元的な信念だから,捨てるわけにはいかない。(哲学の謎) 

田中美知太郎
 自由というのは「言いたいことを言い,したいことをすることができる」ということでしょう。(人間であること)

W・V・クワイン
 好きなこと,そうしたらいいと思ったときにするときには自由なのであり,このことは,好きなこと,したらいいと思うことに原因があるということが事実だとして,この事実によっては,変えられないのである。(哲学事典)
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