過去拍手
□今日という特別な日を、君と
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やがて虚圏にも冬が訪れた。
「おいウルキオラ!おまえどこ行ってたんだよ」
現世での任務を終えて虚夜宮に戻るなり、ウルキオラは水浅葱の髪色の同僚に捕まった。
「任務だ。俺はおまえと違って忙しいんでな」
「……いちいち嫌味ったらしい野郎だな。まあ今日は大目に見てやる」
いつもなら即座に喰ってかかってきそうなものだが、どうやら今日はその気はないらしい。
訝しげに見上げるとグリムジョーは薄ら笑いを浮かべて顎をしゃくった。
「早く戻ってやれよ。待ってたぜ」
誰が、とは問う気になれなかった。
従属官を持たない自分にとって、帰りを待つ者がいるとしたらそれは只一人だ。
……もっとも頼んだ覚えはないが。
ニヤニヤと口の端を上げるグリムジョーを鬱陶しく思いながらも、他に行く宛もないので自宮へと戻った。そして。
「……何だこれは」
目を疑った。
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