過去拍手
□酔った口は良く回る
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「今日は遅くなるから先に寝てていーよ」
朝、自宅を出る間際にそう話したカカシ。
聞けばいつもの上忍の仲間内で少し遅めの新年会をやるらしい。
どうやら昨年末から忘年会をやろうという企画は上がっていたものの、上忍ともなるとなかなか互いに休みを合わせづらく、ましてやイベントが重なる年末年始は特に多忙で、結局今日までずれこんでしまったらしい。
つまりはそれだけ各々の鬱憤も溜まっているわけで。
あの「酒を呑むなら呑まれるまで」がモットーの上忍たちが、ようやくその鬱憤を晴らすべく一斉に集うわけで。
「わかった」と頷きつつも、嫌な予感がしていたのだ。
そしてそれは見事に的中した。
「たら〜いまぁ〜」
深夜2時。
テレビの画像が砂嵐になる時刻にようやく帰宅したカカシは、とても上忍の足運びとは思えないような千鳥足でふらふらとリビングに姿を現した。
そしてこたつに入って丸くなっていた私を目に留めると、嬉しそうにでれっと目尻を垂らす。
「あ〜れ〜?起きててくれたの?
寝てていーよって言ったのに……やらし〜ねェ」
「呂律回ってないから。やらしいのあんただから」
「ん〜?」
何やら気色悪い笑みを溢しているカカシに鋭く突っ込むも、当の本人はどこ吹く風。
駄目だ、完全に目が据わってる。
この状態のカカシには何を言っても無駄だ。
私は今更ながら健気に起きて待っていたことを後悔した。
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