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□十刃の憂鬱
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虚園もすっかり春の陽気に包まれたその日、第6十刃の宮を二人の破面が訪れた。



「ぶぇっくしょん!!」


「グリムジョー、大丈夫?風邪ひいちゃったんだって?」


「っくし!風邪じゃねえよ……ずびっ」


「藍染様に聞いたぞ。カフンショウという病らしいな」


「グリムジョーって頑丈そうに見えるのに意外に繊細なんだね〜」


「うるせえよ……わざわざ人の宮までからかいに来たのか」


「何言ってるの、お見舞いに決まってるじゃない。
ほら、ウルキオラなんて花まで用意してくれたんだよ」


「へっくしゅへっくしゅへっくしゅ!!
ちょっと待て!その毒々しい黄色い粉を撒き散らしてる枝はなんだぁぁぁ!!」


「杉の花だ。見舞いには鉢植えは良くないらしいからな、わざわざ切り落としてきてやったんだぞ」


「明らかに嫌がらせだろうがっくしゅ!
それで俺がこうなってんのがわかんねえのかっべし!」


「おまえ面白い言語を話すな。病原菌にやられたか」


「てめえの持ってるそれのせいだっ!!
いいから捨てろ!今すぐ捨てろ!迷わず捨てろ!」


「グリムジョー、そんな言い方しなくてもいいじゃない。
せっかくウルキオラが現世まで行って取ってきてくれたのに、ずびっ」


「おめーも思いっきり症状出てんじゃねえか!」


「あれ?おかしいな。ウルキオラ、私まで風邪ひいちゃったみたい」


「よし待っていろ、おまえの分も取ってきてやる」


「やぁめぇろぉぉぉ!!」






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