過去拍手

□十刃の逆襲
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虚圏もすっかり秋の様相を呈してきたある夜。

第6十刃の宮を二人の十刃が訪れた。



「……んだよ、こんな夜中に何の用――」

「Trick or Treat!」

「…………」


扉を開けたグリムジョーの前に現れたのは、魔女と吸血鬼の衣装に身を包んだ同僚の二人だった。


「あはは、驚いた?今夜はハロウィンだよ」

「そういうわけだ、菓子を寄越せ」

「どういうわけだ!
ったく、今時ハロウィンなんてまともにやってる奴いんのかよ」


ニコニコと小首を傾げて笑う彼女と、素知らぬ顔で片手を差し出す第4十刃の男にグリムジョーは分かり易く吐息を漏らした。

とはいえ長々と居座られても面倒だ、と給仕が用意したであろうお茶受けの中から適当に菓子を掴んで放り投げれば、彼女は無邪気に喜んだ。


「ところで、トリックオアトリートってどういう意味なの?」


獲得したキャンディーで右頬を丸く膨らませながら、彼女はきょとんとグリムジョーを見上げる。


「おまえな……意味も知らねえで言ってたのかよ」

「菓子をくれなきゃ悪戯するぞ、という意味だ」


グリムジョーの代わりにウルキオラが答えてやると彼女はますます不思議そうな顔をした。


「イタズラって?例えばどんなことするの?」

「例えばって――悪戯は悪戯だろーが」

「そんなことも知らんとはな、十刃の名が泣くぞ。
いいかよく聞け。悪戯とは、性的欲求をもとに異性に肉体的な干渉をもたらすことを指し――」

「待てェェェェ!!てめえは何ふざけたこと吹き込んでやがるっ!?」

「悪戯の定義を説明しただけだが」

「意味が違うだろうが!そーゆー悪戯じゃねえよ!」

「悪戯には違いないだろう」

「そりゃあそう…ってまたこいつが変な解釈すんだろうが!」


言い合うグリムジョーとウルキオラの傍らで、彼女はふーむと顎に手を当てる。


「そっかぁ……だからさっき藍染様あんなことしたんだ」

「「!!!?」」


これにはグリムジョーのみならずウルキオラも固まった。





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