Dear…

□Suspicion
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その後も破面の死神襲撃事件は立て続けに起こった。




彼らは決まって死神が任務の為に下り立った場所に現れる。


まるでそれを予測していたかのように、正確に。



中央四十六室は護廷十三隊の各隊に厳重な防衛体制を整えるよう指示を出したが、それでも死神側の負傷者は途絶えることはなかった。




考えたくはない。


けれど、この状況下ではどうしても疑わずにはいられない。



この破面襲撃の背景にあるのは、恐らく――





「……沙羅?」



隣で響いた静かな声音にはっと我に返ると、気遣わしげな翡翠の瞳が沙羅を覗き込んでいた。



引っ切り無しの激務の日々をくぐり抜け、久方ぶりの休暇を貰った今日、沙羅はウルキオラに会うべく現世へと下りていた。




「何かあったのか」


「ううん、何でも――」


ない、と首を振ろうとして、意味がないことに気づく。


言葉になど出さなくとも、表情一つでウルキオラは沙羅が内心で抱える不安や迷いをすぐに読み取ってしまうのだろう。


結局後に続ける言葉が見つからなくて黙り込むと、代わりにウルキオラが口を開いた。



「……最近の破面の動きか?」



ああ、やっぱり。


何でもわかってしまうんだ。



出来ればあまりウルキオラには言いたくなかったが、ここまで言い当てられては否定も出来ず沙羅は力なく頷いた。



「被害が広がる一方なんだ……」



先日の任務ではとうとう沙羅の所属する十三番隊からも犠牲者が出てしまった。


辛うじて一命は取り留めたものの、その容体は芳しくない。



破面襲撃に対する備えを怠らないように、と言い聞かせていた側からの被害に、沙羅は己の力不足を痛感させられていた。







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