過去拍手
□ハロウィンのお召し物
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◇カカシ◇
「「せぇ〜のっ!」」
「「ジャンケン、ポン!!」」
「よっしゃあぁぁぁぁ!!」
「いやあぁぁぁぁ!!」
まるで人生最大の幸福のような声を上げてガッツポーズするカカシと
まるでこの世の終わりのような声を上げて頭を抱える彼女。
二人の命運を懸けた一戦――勝利の女神はカカシに微笑んだ。
「そ、そんなバカな……カカシはいつも最初にチョキを出すはずなのに……」
「ふっ……それはここぞというときに勝つための布石だよ」
すまし顔で髪をかき上げるカカシをできることなら今すぐ張り倒したい。
だが……だが、いくら言い繕おうと負けたのは自分……!
「これで文句ないよね?
今夜は俺の選んだ衣装を着てもらうよ……」
ニタァ、と絶対的に怪しい微笑みを浮かべたカカシに彼女は心の中で悲鳴を上げた。
勝ったら禁術の巻物を見せてやる、なんて甘言にそそのかされて勝負に乗った自分がバカだった。
木ノ葉の里恒例のハロウィンパーティーで、よりによってカカシ厳選の衣装を着ることになるなんて……!
こんな変態に選ばれた衣装を着た日には、きっと二度と日の下を歩けないほど恥ずかしい思いをするに違いない!
なんせ相手は木ノ葉のエリート変態!ドスケベ上忍師!!
「おーい、全部声に出てるよー。
……参ったなぁ、俺ってそんなに信用ないの?」
「あんたのこれまでの言動の何を以て信用が得られると?」
「厳しいな〜。ま、安心してヨ。今年のトレンドを選んだからさ」
満面の笑みで言い切ったカカシに迷わず瞬身の術の印を結ぶが、全て組み終える前にあっさりと捕まってしまった。
「ここまできて逃げられると思ってんの?
――さあ、これを着るんだ!」
ジャン!!
効果音と共に目の前に吊り下げられたのは、紐で繋がれた三枚の貝殻。
「…………カカシくん、これは一体?」
「ふっふっふ……魔女だの猫娘だのはもう古い!
今の流行りは人魚姫!
ほら、この二枚はブラジャー代わりで、こっちの大きいのが下用……」
「着れるかぁぁぁぁ!!」
イカれた銀髪の脳髄に踵落としを決め、彼女は素早く逃げ出した。
しかし相手も木ノ葉のエリート変態。すかさず起き上がって追いかける。
「いやー!こんなの着るくらいなら私人間やめるーっ!」
「人間やめたら俺が飼ってあげるからネ〜人魚ちゃん☆」
「もっといやー!!」
その後の彼女の運命やいかに……
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……やっぱりアホなカカシになりました。
これぐらい筋金入りの変態バカなカカシが大好きです(笑)
何はともあれ、Happy Halloween!!