オリジナル駄文[短編]
□日常風景
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とある街の、どこにでもあるような、とある高校。
ただ少し違うのは、二年前から男子校から共学になったことである。
そのため、まだ学校内に女子は1割程度しかいない。
そんなほとんどが男子で占める学校内では、一部の女子にこんな噂が流れていると言う。
『会長と副会長の関係が怪しい』と…
そうして本日も、いつもの如く、昼休みの校舎裏には女子(+一部の男子)の隠れた視線が集まるのだった。
―――――………………
「会長可愛いわ〜」
「副会長、美しすぎます!!」
「きゃー!!会長が副会長にー!!!!」
何名かの生徒が騒ぎだし、もう隠れる気などは誰一人としてない。
そんな騒ぎを遠くの方で聞き流している当の二人はというと…。
「会長…何ですか?」
「ん?いやー、睫毛が付いてると思って…」
顔を近付ける会長に向かって、溜め息を付きながら副会長は答えた。
「はぁ…一般生徒で遊ばないでください」
「違うって。ファンサービス♪」
「全く…それでどれだけの生徒が誤解してると?」
「ええー、誤解なの?」
「当たり前です。収集付かなくなりますから、離れてください」
「ちぇ…残ー念ー」
そうしていつものように恒例の昼の時間が終わる。
どこにでもある学校の、どこにもない日常風景。