オリジナル駄文[短編]
□始まりのきっかけ
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朝の日差しがカーテンの隙間から差し込む。
その眩しさに雅人は目を覚ました。
頭上の目覚時計を見れば、起床時間までまだ時間がある。
もう少し時間まで寝ようと、朝日が当たらない位置へと寝返りをうった瞬間、雅人の意識は一気に覚醒した。
「え…?」
横には顔だけは知っているが、友人どころか話したこともない人物の寝顔があった。
雅人の通う大学で、知らない人間はいないというくらいの有名人、菅野創が横で気持ち良さそうな寝息を立てて眠っていた。
「なっ、なんっで、お前がここにいるんだ!!」
雅人の大きな声に、さすがに創は目を覚ます。
「ぁ……おはよー…」
「あ、あぁ。おはよう」
目をこすりながら、ゆっくりと間延びした声で創は笑顔を見せる。
女子の間では王子様と呼ばれ、その笑顔で様々な人間がたらしこまれると言われている。
そんな笑顔を向けられ、つい雅人も返事を返してしまう。
が、すぐに我に返って、いるはずのないその人間に訳を問い質した。