オリジナル駄文[短編]
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高校一年、春。
入学式も終わり、教室でのオリエンテーションが始まった。
初めて見る顔触れに教室はざわめいている。
沖永聡は僅かな休息時間を、読書に費やしていた。
すると、ふと背後に覗き込む気配と同時に声がかけられた。
「…それ、面白い?」
その声に無視する訳にもいかず、聡は面倒臭そうに振り返った。
「さぁ…まだ読んでいる途中だから感想は言えないが…。……?」
聞かれた言葉に対して返答しただけなのだが、視線が合うと、後ろの席のまだ名前も分からないクラスメートは驚いた顔をした後、黙り込む。
「…どうかしたのか?」
「うわぁ……どうしよう」
聡の顔をマジマジと眺めたあと、笑顔になる。
「俺、葛西竜弥。お前は?」
「沖永聡」
「聡か」
「…ところで、何がどうしようなんだ?」
「え、あぁ…。聡って、めちゃくちゃ俺好みだから」
「…は?何が」
いきなり馴々しく話し出した竜弥に対し、少しの苛立ちを覚えつつ聡は聞き返す。
「いや〜、だから顔がね、好み」
「は?」
「気の強そうな美人顔で〜黒髪黒目で肌は白いし……あーでも眼鏡外したらもっと良いかも。いや、似合ってない訳じゃないぜ?むしろ似合ってるというか………」
ベラベラと止まらない上に、訳の分からないことを口走る竜弥に聡の平常心はぷっつんと切れる。
「…一辺死んで来い」
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